2015年2月6日金曜日

18歳選挙権実現と求められる教育と投票環境の改革

18歳選挙権法案、再提出へ=来年参院選実施目指す―与野党(時事通信) - Yahoo!ニュース 

与野党8党1会派の実務者によるプロジェクトチーム(PT)は6日、衆院議員会館で会合を開き、選挙権年齢を「18歳以上」に引き下げる公職選挙法改正案について、今国会への再提出に向け調整を急ぐことで一致した。
ということです。
やっと18歳になったかという感じです。
OECD各国の中で未だに選挙権が20歳なのは日本だけ。
欧州の潮流は18歳どころではなく16歳選挙権に向かっている。
若者の声を社会・政治作りに活かすという明確な意思表示であり、それが社会の役に立っているからさらに引き下げを進めるのだ。

昨年世界中で若者と政治をつなぐ活動をしている人が集うWORLD FORUM FOR DEMOCRACYというイベントがフランス・ストラスブールのEU評議会で行われ、日本代表として参加した。
その際に、日本では選挙権が20歳だと伝えると多くの国の人の驚かれた。
少子高齢化でただでさえ、若者の数が少ないのに、そんなに高い選挙権年齢なのかといった反応だ。



教育と投票環境の改革は必須

投票権年齢下げるだけではだめで、きちんと社会・政治に関心・責任をもって投票にいく有権者の育成と、その年齢の人が投票に行きやすい環境づくりは必須である。

高校3年生も投票ができるようになるわけで、教育現場での政治・選挙に関する教育の必要性は高まる。
教育に関してはおおきく3つが必要。

  1. 政治の仕組みをきちんと教える
    学校で習って記憶にあるのは定数と人気の年数だけって言うのはあまりにもむなしい。
    どのように政治が行われ、予算が決まり、法律がつくられているかを教えるべきです。
    そしてなにより、その政治に我々有権者が主権をもち関わることができる、また関わる責任があるということを伝えなければなりません。
  2. 実際の政治と関わる機会を増やす
    学校に市長が来る。各会派の地方議会がきて政策の説明をする。
    選挙時には候補者の政策を議論し、模擬投票を行う。
    などがもっと当たり前にならんと。
  3. 学校内での民主主義の普及
    生徒会長選挙で本格的に”政策”議論が行われ、当選した生徒会長が学校側と議論を変わし、場合によっては校則が変わる。
    選挙によって身の回りのことが変わる成功体験の積み重ねが選挙への意欲を生む。
余談だが明日は小学生向けに横浜で政治についての授業をやる。




そして、投票環境の整備も必要。
大学生は全員が選挙権を得る。
大学生でよくあるパターンは、進学を機に親元を離れたのだが住民票はそのまま地元においておるという例だ。住民票を移していいない方がだめだと言ってしまえば、それまでだが各種書類の住所変更や、保険の兼ね合いなどから移さないほうがいい理由も多々あるのだ。

不在者投票制度より簡便なものにして、周知を徹底すること、大学内期日前投票所を増やすこと、
などの検討が必要だ。



選挙権も被選挙権も中学卒業以降に


自分は選挙権・被選挙権ともにもっと引き下げられるべきであると考えています。

年齢ではなく、義務教育期間が終了する中学卒業後に与えられるべきだと考えます。義務教育は全国民が等しく受けるものです。そのなかで、投票ができるだけの最低限の素養を醸成する必要があります。

さらには、立候補できる年齢である被選挙権も中学卒業後に獲得できるようにするべきです。選挙権と同じ理由に加えて、立候補者は選挙の際には"選ばれる"側であるため、選挙権と差がある必要がないことも理由として挙げることができます。

選ばれる人よりも選ぶ人のほうが、選挙では能動的な権力の行使をすることが可能です。若くて未熟な候補だと思えば、選挙の時に票を入れなければ良いだけのこと。

少子高齢社会の日本が、世界に先駆けて選挙権・被選挙権年齢の双方を義務教育卒業後に下げることができるならば、世界に対して大きなインパクトを与えることは間違いありません。

18歳選挙権の実現を一つのターニングポイントとして、
少子高齢化の中での民主主義をどう作っていくか引き続き考えていきたい。