やはり世代別の得票率が印象的。30代、40代を中心に「賛成」票が集まったのに対し、70代を筆頭とするシニア世代の「反対」票に押し切られた格好。「大阪」で日本のシルバーデモクラシーが完成 より
40代までとそれ以上の人口比がほぼ半々なのであれば、賛成派が負けた原因はワカモノの低い投票率以外に無い。人口比で負けたのならばシルバーデモクラシーという指摘は正しいが、投票率で負けたのなら、それは単に民意が反映されたと考えるべきだ。投票に行かない人は「どんな結果が出ても従います」という意見表明をしている事になるからだ。橋下市長の敗因が「シルバーデモクラシー」ではない件について。 より
両者においてシルバーデモクラシーの定義が異なるため真反対の主張に見える。前者は「シニア世代の意見が若者世代に勝つ状況」。後者は「シニア世代と若者世代の人口比が大きく違う状況」
といえる。
少子高齢社会にも関わらず民主主義の活性化を行わない状況が
「シルバーデモクラシー」である
自分はこの両方とも違う観点から「シルバーデモクラシー」を見てみる。
章タイトルに書いたように、少子高齢社会へと変わっているにも関わらず民主主義の仕組みをアップデートしていない状況に問題がある。実は少子高齢社会における民主主義とどう向き合うかに関しては日本だけの問題ではない。昨年日本代表として外務省から依頼を受け参加した、EU評議会(EU council)主催のWorld Forum for democracyにおいてもこの問題は盛んに議論をされていた。
人口が増えていく前提、あるいは将来を担い支えていく若者の数が多い前提で作られている仕組み。言い方を変えれば、税金を払っているあるいは今後払う層よりも、これまで払ってきて今後は税金を使う側である層の割合が少ない状況。これらの仕組み・状況が前提となり民主主義が作られてきた。
それがいまや逆。少子高齢社会において、高齢者の数がどんどん増え、若者層がどんどん減っている。この想定されていない社会状況において民主主義をどうすればよいのか。民主主義を活性化するためにどうすればよいのか。そのことを真剣に考え、具体的なアクションを起こさない状況がだめなのだ。
少子高齢社会において若者を政治に巻き込むためのアクションを起こさないことが「シルバーデモクラシー」ということができる。