2015年10月29日木曜日

第4回東大ハラケンゼミ~神奈川県立湘南台高校黒崎先生からシティズンシップ教育の実践を学ぶ

今学期より東大の教養学部1,2年生向けのゼミを始めた。
おれがやるので当然テーマは「若者の政治参画」が主要なとこ。

備忘録的に前回からの内容を簡単にまとめてるから今回も簡単に。

参考:第3回
年中夢求 ハラケンのブログ: 第3回東大ハラケンゼミ~千葉市の「こども若者選挙」の事例から学ぶ 

日本の公立高校におけるシティズンシップ教育

ゲストは神奈川県立湘南台高校でシティズンシップ教育を担当している黒崎先生。
年齢もおれの1個下と先生の中では若いのに、精力的に動かれていて全国的にも
シティズンシップ教育の先進事例として注目を浴びている方です。

黒崎先生は冒頭に、ゼミ生に向かって過去の「総合的な学習の時間」って何をやったか覚えてる?
との質問を投げかけました。
結果としては、多くの生徒が「総合的な学習の時間」として連続的に特別なことをやっていたわけではないと回答。

その後、18歳選挙権に関して以下の2つの問いを提示
・18歳を市民にする教育とはどのようなものか?
・近年の教育改革の中でどのように位置づけるか?
話を聞きながらこの問いの答えを考えているようにとの流れを作ります。

神奈川県では平成23年度より全県立高校でシチズンシップ教育がどうにゅうされた。
「積極的に社会参加するための能力と態度を育成する実践的な教育」との定義の元、キャリア教育の一環として扱われている。
政治参加教育のみでなく、道徳教育・消費者教育・司法参加教育の計4本の柱から成り立っている。

例えば、模擬投票に関しては3年に1回行われる参議院選挙の際に実施。
3年に1回なので、どの学年の際に実施になるかはわからないが、きちんと計画をたて遣ることができる。
事前学習・事後学習もしっかりと行う。
他にも、模擬議会などを実施。

平成25年度からは「広義のシティズンシップ」という概念へ移行。
公民だけでなくすべての教育活動が関わるもの。
総合的な学習の時間を”要”とする体制へ


などなど。

質疑応答の際には
「テストでの評価や入試と直結しない科目に生徒のモチベーションは?」
という鋭い意見も

現場でどんどん先に走っていく黒崎先生の話から大いに刺激を受けてたゼミ生&自分でした。







2015年10月17日土曜日

政治的なテーマは公共施設で話してはいけない!?さいたま市の条例への疑問

さいたま市で起こっていること


年中夢求 ハラケンのブログ: 「市民活動」は「政治」に関わってはいけないというさいたま市議会の判断への疑問 

数日前に上記のブログを書いた。内容としては以下である。
市が指定管理として業務を委託しているさいたまNPOセンターにおいて”政治活動”を行っている団体が多数あることを問題視した議員が、
指定管理制度をやめ、市の直営化へと移行するようにとの条例案を出した。
自分の見解として、

「政治的テーマ」を扱う団体を、「市民活動」ではないという認識があるとすれば、それはおかしいということ。
「政治家」なる肩書の人以外は、「政治的テーマ」に関わってはいけないのか?市民が街や社会を良くしようと自分たちで動くことを容認しないのか。市民はお祭りの運営やゴミ拾いでもしておけばいいということなのか?
いろんな意見があり、対立するものだってもちろんある。一人一人の市民が主体的に社会に関わる意識を持つことが、民主主義の力になる。
と述べた。
今回はこのブログの 続報として書いている。

まずは、結果として16日の議会でこの条例は賛成多数で可決された。
内容に関していくつかのメディアでも報道がなされている。

NPO運営施設 市が直営化へ - NHK 首都圏 NEWS WEB
  http://www.nhk.or.jp/shutoken-news/20151016/5739121.html

条例案を提出した自民党の青羽健仁市議会議員は、「憲法9条や原発、拉致問題など、政治的なテーマを取り上げる団体に、公共施設が便宜をはかることは問題だ。決して表現の自由や政治活動を否定しているわけではない」と話しています。

政治利用している…さいたま市民活動センター、NPOの運営停止へ
http://www.saitama-np.co.jp/news/2015/10/16/05.html
改正理由について自民議員らは「一部の団体が政治利用している」などと指摘。これに対し、センターの利用者らは「権力による自由な活動の制限を招きかねない」として、反発を強めている。

そもそものさいたま市の”市民活動”の定義

なぜこのような状況に至っているのか改めて整理をしてみる。

1:さいたま市民活動センターは市の施設
この施設はさいたま市からの指定管理者としてさいたまNPOセンターが運営を行っている。つまりは市の施設である。

2:市の条件の範囲内での運営が必要
つまりは、指定管理者としても市の定める条件の範囲内での運営を行う必要がある。

3:さいたま市市民活動サポートセンター条例
市が、市民活動サポートセンターの活動については「さいたま市市民活動サポートセンター条例
」に定められている。
その冒頭に
さいたま市市民活動及び協働の推進条例第8条の規定に基づき市民活動(推進条例第2条第2号に規定する市民活動をいう。以下同じ。)を支援し、その活性化を図るため、さいたま市市民活動サポートセンターをさいたま市浦和区東高砂町11番1号に設置する。
と書かれている。
つまりはそもそもの「さいたま市市民活動及び協働の推進条例」に基づいて運営されていくということ。

4:さいたま市市民活動及び協働の推進条例とは
この条例においては市民活動を以下のように定めている
 市民活動 市民が地域又は社会における課題の発見及び解決のために、自発的
かつ自主的に行う非営利で公益的な活動をいう。ただし、次のいずれかに該当す
るものを除く。
ア 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、又は信者を教化育成することを目的と
する活動
政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを目的とする活動
ウ 特定の公職(公職選挙法(昭和25年法律第100号)第3条に規定する公
職をいう。以下同じ。)の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。)若
しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを
目的とする活動

色々と並べたがまとめると
「政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを目的とする活動 」をさいたま市は「市民活動」ではないと条例で定めている。
そして、この条例に基づいた運営を求められる市民活動サポートセンターは「政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを目的とする活動」を、市民活動として認めてはならない。

ということになる。
そのため今回の決議に至るわけだ。

発議者の青葉健二議員の発言

発議者である青葉議員は6月議会の際にもこのことについて質問をしておりその発言の内容を一部抜粋する。

市民活動と政治活動の線引きというのは非常に難しいところがあるのだけれども
少なくとも原発問題だとか集団的自衛権と憲法9条とか。私、誤解がないように申し上げておきますけれども、日本共産党の皆さんはよく知っているとおり私は護憲派なのだ。だから、これについて反対するつもりは全くない。だけれども、公共施設でこういうことやること自体に問題がある 
地元の自治会があそこがあいているから使わせてくださいと言うと、そこはNPO専用ですから、あなたたちはだめだと言われるのだ。だれのための施設だというのだ。 

さらにNHKのインタビューの中で以下の発言をされている。

いわゆる国論を2分するような、市民の議論を2分するようなね、テーマを扱ってらっしゃる。そういった団体を市民活動として優先利用させている所に問題があるだろう
御懸念をされているようにそういう市民活動の制限とか委縮させるということは全くないということ

青葉健二議員の考えを読みほぐすと

1つ目は、さいたま市の条例の中で「市民活動」から除外されている「政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを目的とする活動 」を行っている団体が登録されていること。

2つ目は、これらの団体が市の施設を優先利用しているということ。登録団体のみしか使えないスペースがあり、自治会などは使えないことをおかしいと思っている。

3つ目は、「市民活動を委縮させるつもりはない」ということ

4つ目は、「国論を2分するような」ものは市民活動ではないということ。影響の範囲が市の範囲をこえているからという考えだと思う。
これらになるのかなと。
ただ、青葉議員に直接話を伺ったわけではないのでインターネット上で調べられる範囲の話であることに留意ください。

「市民活動」の定義を曖昧にしたままのセンターの運営がなされてきたことが今回の議論へとつながる

上記にも述べたように、センターはさいたま市の条例の範囲内での運営が求められている。
となればその中にある、「政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを目的とする活動 」は市民活動ではなく、センターの利用対象とはならないことは知っているはずだし、さらにいえば使用者に対してこのことを徹底する必要がある。

しかし、正直「政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを目的とする活動 」というのが何なのかは様々な解釈ができるだろう。
NHKのニュース内で利用者の以下の声が取り上げられている
拉致問題の団体の男性は「拉致被害者を救う活動は人権活動であり、なぜ問題なのか理解できない。今後、活動を理解してもらえるよう訴えていきたい」
この方の意見もわかる。しかし、同時に「拉致問題の解決は政治的な課題だ!」 と言われても自分は納得する。
つまりは、曖昧なままの運営が続いてきたことにより、「市民活動」に対しての考え方がセンターの運営の中での考え方と違う青羽議員からすれば納得いかないということだろう。
そしてさらに、自治会が使えないのに、”政治活動”をしている団体が使えることへの怒りもあり今回の決議に至ったのだと思う。

そもそも、さいたま市の「さいたま市市民活動及び協働の推進条例」の見直しを

この問題の根本は「さいたま市市民活動及び協働の推進条例」にあると思う。
この条例は
市の責務並びに市民、市民活動団体、大学及び事業者の役割を明らかにするとともに、基本的な施策を定めることにより、市民活動及び協働の推進を図り、もって活力のある地域社会の実現に寄与することを目的とする。
とある。

俺からすれば、活力のある地域社会を実現するためには政治が全く関わらない範囲で活動を行うなんて現実的ではないと思う。
なので市民活動から「政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを目的とする活動 」を除外するということがおかしい。
繰り返しになるが、まずこの除外対象がよくわからない。「政治上の主義」とは何か?
ゴミ拾い団体は市民活動であり、政治活動ではないということに意義を唱える人は少ないだろう。 では、その団体が団体の活動の際に「受動喫煙防止条例の徹底が必要だ」とでも言っていれば市民活動から除外されるのか!?

青羽議員の主張がわからんでもないが、これだけ市民との協働や、民間の力が求められている時代だ。政治が政治家がなんでもするという時代ではない。
センターの利用の在り方を見直すのではなく、根本の「市民活動」の定義から見直す必要があるという議論を進めて欲しいなと思う。

集まる「場」がある可能性


少し余談にはなるが最後に「場」について2つほど。
昨年ミャンマーに行った際にこんな話を聞いた。軍事政権が強権的な力を持っていた際には、人が集まることができる集会所的な場所をどんどん閉鎖した。なぜなら人が集まるということはそこで様々な企みが行われ、もしかすると政権に不利な力が出てくるかもしれないから、集まる場所をそもそもなくそうという考えだ。
さらに、昨年ヨーロッパに行った際に「ユースセンター」の視察を行った。若者と社会をつなげるために、あるいは若者の自発的な活動を促すために、若者がふらっと訪れることができる場所が必要だ。決して社会貢献などの目的を持ってくる必要はない。だけど、集っている若者同士の会話の中で勝手に色々な企画が生まれる。

「場」があるから一人ではなく複数人で集うことが出来、複数人で集うことにより色々な動きにつながるわけだ。
「場」の運営方法を見直すことはあっても、「場」が市民側の論理ではないルールによって一方的に制限されることはなってはならない。


さいたま市のこのセンターに関しても話し合い歩み寄りが行われて、相互の理解が増し、新たな運用へとつながって欲しい。

2015年10月16日金曜日

「市民活動」は「政治」に関わってはいけないというさいたま市議会の判断への疑問

市民活動と政治は共に、社会を良くする協働の関係だと思っているが、さいたま市議会では市民活動は政治に触れないものだと認識があるようだ。

 市民活動センター:NPO管理取りやめ 条例改正案、市議会へ さいたま /埼玉 - 毎日新聞 

15日の昼間に出た上記のニュース内容に違和感を覚える。
内容をかいつまんで説明する。
元来、指定管理者制度によりさいたま市の「市民活動サポートセンター」は運営をされてきた。
そして運営の特徴は、
”NPOやボランティア団体、自治会などが会議や打ち合わせに使えるスペースがあり、1日1000人以上が訪れる人気施設。「市民と行政との協働」を理念に、利用者の意見を反映して運営してきた”
という在り方。

しかし、この秋の市議会の中で、
”自民党市議らが原発や憲法9条、拉致問題など政治的テーマを扱う団体の利用を問題視。9日の市議会決算委員会で同センターの「適切な管理運営」を求める決議を可決した。来年4月の施行を目指し、15日の本会議で指定管理者制度を取りやめる条例改正案を提案し、16日に決議する見通しだ。”
との動きがあったそうだ。

市議会の議事録もまだ上がっておらず、市議会議員の方に直接聞いたわけでもなく、詳細はわからない。

しかし、確実に言えることは、「政治的テーマ」を扱う団体を、「市民活動」ではないという認識があるとすれば、それはおかしいということ。
「政治家」なる肩書の人以外は、「政治的テーマ」に関わってはいけないのか?市民が街や社会を良くしようと自分たちで動くことを容認しないのか。市民はお祭りの運営やゴミ拾いでもしておけばいいということなのか?
いろんな意見があり、対立するものだってもちろんある。一人一人の市民が主体的に社会に関わる意識を持つことが、民主主義の力になる。

また、このさいたま市民活動サポートセンターのHPには市民活動について、Q&Aコーナーの中で以下のように書かれている。
Q. 「市民活動」とはどのような活動ですか?
A. 市民活動とは、“非営利で公益的な市民の自主的な活動”のことです。
「さいたま市市民活動及び協働の推進条例」では、「市民活動」を“市民が地域又は社会における課題の発見及び解決のために、自発的かつ自主的に行う非営利で公益的な活動”と定義しています。 
市民活動サポートセンターのHPより

さいたま市として”市民が地域又は社会における課題の発見及び解決のために、自発的かつ自主的に行う非営利で公益的な活動”とのように、市民活動を定義しているにも関わらず、「政治的テーマ」を扱うことを問題視しているわけだ。

選挙権年齢が来年から18歳以上へと引き下がることを契機に、日本でもようやく教育の中で、政治に関することを教えるということが少しずつ必要とされてきている。
それは「投票率」をあげるといった、瞬間的な一面だけのためにあるものではなく、社会に主体的に関わる人を育て、社会全体の力にすることが目的だと理解している。
そんな矢先に、「市民活動」は「政治」に関わってはいけないとされてしまうことが残念だ。

引き続きさいたま市議会の状況は追っていきたい。

自分も「若者と政治をつなぐ」活動を引き続きすすめていき、両者がそれぞれの良さを活かして将来を作っていくことができるための環境づくりを引き続きがんばります。

2015年10月7日水曜日

第3回東大ハラケンゼミ~千葉市の「こども若者選挙」の事例から学ぶ

今学期より東大の教養学部1,2年生向けのゼミを始めた。
おれがやるので当然テーマは「若者の政治参画」が主要なとこ。
他にもNPOなどの非営利セクターと行政の協働なども扱うつもり。
さらにそれらについて理論だけでなく現場の人の声などをしり、生徒同士でのディスカッションも進める。
他にもYouthCreateやおれの関わっている場への同行も推奨している。

ゼミといっても学生自主ゼミということで、学校公認で教室の使用許可や講師料をいただいてはいるが、単位もつかずという状況だ。
政策立案コンテストをやっている学生団体ガイルの伊串君(東大2年)と、YouthCreateにもずっと関わってくれてる永野(東大4年)の奮闘により実現しスタートしている。(伊串君を紹介してくれたMさんにも感謝!!)

備忘録的に各回の内容を簡単にまとめておくことにする。
第2回はまだ書いてないが近いうちに。

今回は冒頭に以下の京都市選管の新たな試みについて紹介。
京都市:学生の力で投票率UP 市長選PR事業、来月から募集 /京都 - 毎日新聞 http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20150929ddlk26040695000c.html
学生を事業の実施者として巻き込み予算をつけるのは新たな視点。
すこし応募に関しての団体の条件が厳しい気もするが、きちんと予算をつけるとなると難しいのかな。
これが皮切りになり、臨時啓発だけじゃなくて常時啓発にもつながればなと。




その後は現在3グループに別れ、政治参画について調べている学生の中間発表。

明推協や各自治体の選管の取り組みについては
「都庁のライトアップなど、意外に色々やっているけど、それがこっちにまで伝わってきていない」
「明るい選挙ポスターコンクールについては知っていた」←ちょうど今日東京都のポスターコンクールの審査員をおれがやっていたとこだったりw

出前授業に関しては
「神奈川県がシティズンシップ教育を色々とやっているようだけど、結果模擬選挙だけなの!?」
「やったという事実を作っているだけでは」
何て厳しい意見も。

海外の事例に関しては
「スウェーデンの学校選挙のためのキットの配布は日本でもあればいいのに」

まだまだ調べ途中なのだけど、今後調べが深まった先のディスカッションなんかが楽しみになってくる。

メインは
プロシードジャパンの吉川さんから、千葉市での「子ども若者選挙」の事例について話してもらう。
有権者教育:各選管、高校生に 出前授業で自覚促す 若者よ、投票へ 公選法改正、選挙権「18歳以上」に /千葉 - 毎日新聞 http://mainichi.jp/edu/news/20151006ddlk12100217000c.html
上記の記事の後半にも少し紹介されているが、
主に千葉市が出す課題に関して、高校生が解決策などを考えて行政に提案し、行政としても実施をするというもの。
どの課題を選択するかに関しては、高校生が選挙で決定する。
そして、その選挙のやり方や、各課題の説明などの細かいところも高校生が主体的に試行錯誤しながら設定する。

現場で試行錯誤しながら高校生と向き合っているひとの話を聞くと細部の工夫まできけておもしろい。
環境だけではなく「立場」を作る
という、吉川さんのモットー通り高校生が色々な役割も持つように仕掛けていく点などためになる。

ゼミ生からは、「身近な社会との関わりが良いと思う」
「政治参画をとおして選挙を学ぶことがおもしろい」
等といった意見も

高橋亮平さんもがっつりコミットしてるし、千葉市は今後どんどん若者参画進んでくるんだろうな。
おれも改めて中野区に色々提案していかんとな。選管だけじゃなくて他の部署や議会、そして行政だけじゃなくて街の色んな団体・個人、大学なんかも巻き込んでやりたいものだ。

来週は湘南台高校の黒崎先生がゲスト!!
しかし、授業の運営って運営難しいな、試行錯誤が続く。
ゼミ生から率直なアンケートでの意見に助けらておる。

以下写真






2015年10月3日土曜日

小選挙区と大選挙区が混在するいびつな日本の選挙

中野の「新しい自治を考えるワークショップ」主催の哲学堂講座の第11回が実施された。
テーマは「選挙を考える」

東京と中野区にある哲学堂公園内で実施されるこの企画。
東洋大学創設者の井上円了氏が作った公園で、園内に哲学者の銅像が立っていたりと、ユニークな公園で、春には花見客も大勢集まる。

このような東洋大学と哲学者講演の繋がりから、この哲学堂講座は毎回東洋大学の先生をお招きして市民が自主開催を続けている。



【ゲストは選挙制度の専門家の加藤名誉教授】

今回のゲストは東洋大学名誉教授の加藤氏
中公新書で「日本の選挙」という選挙制度の入門書を書いており、非常に明快な議論を展開されている方だ。

今日の講演の中でも、
加藤氏は日本で選挙制度がしっかりと学問的にも、政治家の間でも議論されないことをなげいてた。
「統治システムのイメージを描き、選挙制度をきちんと定めるべきだ」とし、
与党の法案を野党が批判し、争点を明確にするイギリス型の「アリーナ議会」を目指すのか、
議員自らが法案を提出し、修正も多く行われる「変換の議会」を目指すのかを決めたうえで、
小選挙区制か比例代表制(またはそれに近い制度)にするのかを検討するべきだとおっしゃった。

【日本の選挙制度の特殊性:同じ選挙に多様な選挙制度が混在】

詳細は省くとしてここでは加藤氏が最も問題視する部分のみお伝えする。
それは同じ選挙なのに、違う選挙制度があること。
具体例がわかりやすいだろう。
例えば2年前の参議院選挙において東京都の定数は5人、対して島根などは1人、さらには2人茨木の2人といったように人口に応じて(比例してではない)定数が異なる。

つまりは定数が5人の東京では大政党以外の候補者でも勝つ可能性がある状況がある大選挙区になっており、、
対して1人が定数の県では小選挙区であり、一人の勝者のみしか生まれない。
また、定数が2人の選挙区では勢力の上位2位の政党から毎回1人ずつ当選者が生まれ、熾烈な争いがない。

これは都議会議員選挙などでも同様。
世田谷区選挙区は8人の定数なのに対し、千代田区は1人というように、大選挙区制と小選挙区制が入り混じっている。

確かに、大選挙区がよいか、小選挙区がよいか、はたまた比例代表やこれらの今後が良いかなどは、上述したように政治システムのイメージに合わせて決めるとして、
混在していることにおかしさは自分も持っていたので、この部分での意見は一致。

参議院選挙のたびに「カギを握るのは1人区の選挙区ですね」なんてのは変な話ということ。

【政治家を選ぶフィルターに着目を】

政治家を選ぶフィルターである選挙制度。
政治家と有権者の距離があるとすればきちんとこのフィルターから見直すべきだと思っている。

それは加藤氏が言うように政治家や統治システムに関わる大事なものであるから。
また、民意の表出の大事なタイミングであるから。

インターネット選挙運動解禁が2013年まで実現しなかったこの国の政治家のあるいは政治慣れしている人の、変化を望まない状況はいい加減変わってほしいなと思うわけです。

参考

俺も引き続き若者が投票に行きたいと思うような選挙へとなるように頑張ります!